“切実な創造力”に寄り添う
私たちは社会の中に寛容でしなやかな場をつくるために、アートによって一人一人が持っている表現の力を最大限に引き出すサポートを行なう非営利団体です。
社会にはアートとは名付けられてこなかった多様な創造力が存在します。人間の心や体を支える福祉・医療、植物と共創していく農業、地域の在り方を考えるまちづくりなど、自己や他者、環境をより良くするために切実に発揮される創造力こそ、私たちが考えるアートの社会化の姿です。
そのような“切実な創造力”を通じて人々をエンパワメントすることを目指し、自治体、企業、地球環境や地域コミュニティを大切にする専門家らと協働しながら、豊かな社会創造に向けて活動します。
私たちはアート(=藝術)を「より良く生きるための術」であると考え、次の3つの軸を大切にしながら活動しています。
表現の先鋭化としてのアート
アートとは、誰もが持ち得る「表現」を先鋭化し、思考と実践を積み重ねてきた歴史だと考えています。そこでは長い間をかけて表現を安全に扱うための制度や技術が養われてきました。危機的な課題を抱えた現代において、アートヒストリーからはコミュニティや社会を変革するための様々なヒントが学べます。私たちはそのようなアートの歴史に敬意を示しながら、専門的な知識を持って、多様な「表現」を支援します。
安心して自分自身が変われる場の創出
美術館やギャラリーに展示されている作品も、まちなかで行なわれるアートプロジェクトも、それまで当たり前だと思っていた既成概念を疑い、自身の想像の限界を更新してくれるような刺激的な経験を与えてくれるものです。そのような「安心して自分自身を更新すること」が出来る場づくりをアートや表現を通じたアプローチから行います。
切実な創造力
私たちは誰もが持ち得る「表現」も、その表現を先鋭化してきた「アート」も同じように社会にとって必要なクリエイティビティであり、社会や個人がより良く生きるための術となるために発揮されるものだと信じています。誰かの指示によるものでもなく、経済的価値を優先したり、環境負荷を蔑ろにせず、自らの強い信念に立脚した「切実な創造力」こそ私たちが理想とするクリエイティビティの在り方です。
アートの翻訳である「ゲイジュツ」は、常用漢字が用いられるまでは「藝術」という漢字が使われていました。この「藝」の字には草木を育むという意味があります。反対に現在目にすることが多い「芸」の字には草木を刈り取るという意味があるそうです。
私たちは、一人一人の表現という種を共に育みながら、アートの社会実装を通じて個人や社会にとっての新しい扉(ゲート)を開く、という願いを込めて「藝と(ゲイト)」と名付けました。
アートプロジェクトの企画・運営
アーティストだけでなく多様な専門家と協働しながら地域の文化資源の新たな魅力の発見・活用や、文化施設・福祉施設におけるアウトリーチ活動、創造的な知見を育むラーニングプログラムなど、みなさんの課題に対してアートを通じた中長期的なプロジェクトをご提案します。
展覧会の企画・運営
アートセンターや美術館だけでなく、まちのなかの遊休施設や公共空間の一角まで、様々な空間を クリエイターと共に活用した展覧会 を企画・運営します。展覧会をきっかけに中長期の目標に向けてアートプロジェクトへの展開もご提案します。
ワークショップの企画・運営
アーティストを講師に招き、身近な素材を用いたものづくり、その地域の草木を使った草木染め、アーティストの思考を追体験するような対話型のワークショップなどの企画・運営を行います。地域の方々、学童に通う子ども達など様々な対象者に向けた企画をご提案します。
「藝とスタジオ」の運営
東京都墨田区にある拠点となるアートスペース「藝とスタジオ」の運営を行っています。定期的なオープンスタジオやイベントを開催しております。